架空の鉄道や事柄に関して扱うサイトです.架空鉄道趣味者が架空鉄道趣味者に対して作成した内容であり,実際とは異なります.

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基準運転時分を求める


※架空鉄道において簡便に運転時分を求める内容です。運転理論の話は出てきません。すみません。

 

※理科的な記法になるように修正するよう努めていますが、適当だったりしますので気になる方は修正箇所・修正内容について連絡してください。

はじめに

 教科書に載るような単語が出てきますが、内容としては中学力学高校物理基礎(物理Ⅰ)程度の範囲です。

  ※物理の公式が出てきますけれども文字式そのものは中学1年の範囲のはずです。

 ある程度は分かりやすい表現をしようと努めていたりいなかったりしますが、最低限を理解しようとされない大きなお友達は、この後の文章を読むことなく、さっさとこのページを閉じて別の方法を試してください。私はそこまでの方を救えません。

 小学生(しょうがくせい)の君(きみ)たちは、頑張(がんば)って勉強(べんきょう)するか、高校3年生(こうこう3ねんせい)くらいになると分(わ)かるようになるかもしれません。 

基本の「き」

 さて、基本的なことですが、列車は駅と駅の間を移動するには加速して惰行して減速します。これを一次関数に近似して求めていきます。(図1)

  ※列車…停車場外の線路を運転させる目的で組成された車両をいう。(鉄道に関する技術上の基準を定める省令)

  ※細かい話をすれば、「駅と駅の間~」より「停車場と停車場の間~」とするほうが正しいけど、駅の方が分かりやすいでしょ。

  ※停車場は駅、信号場、操車場をひっくるめた言葉。

  ※近似…ある数値に非常に近いこと。また、そのような値で表すこと。(goo辞書)

 ということで、駅から駅までのグラフ上の動きとしては、加速についての一次関数 + 惰行についての一次関数 + 減速についての一次関数が組み合わさるわけです。

 一次関数で表すことができますと、物理的には等加速度運動または等速直線運動のどちらかの運動となり、これらの運動は公式を用いて又は変形して変数を求めることができます。

  ※変数…数学で、数量を一つの文字で表すとき、一定の範囲にわたって任意の値をとり得る文字。x・y・zを用いることが多い。(goo辞書)

(図1)

簡便に計算するための条件

 現実においては、車両が平坦又は上り勾配の線路を惰行しているとき、列車抵抗により速度が徐々に低下します。これは負の等加速度運動によって近似して表すことができます。逆に、下り勾配の線路を惰行しているとき、下向きの力(負の勾配抵抗)が列車抵抗を上回れば速度が徐々に上がりますから正の等加速度運動によって近似して表すことができます。

  ※列車抵抗…出発抵抗、走行抵抗、勾配抵抗、曲線抵抗、トンネル抵抗

 しかし、惰行を等加速度運動として運転時分を求めようとするならば連立方程式を立てなくてはならず、理系大学生が使うソフトを用いて計算することになります。実際に協力いただいて試して私が辛い思いをして二度とやりたくありませんから、ここでは等速直線運動として一定の速度を保ったまま走行していると仮定して計算していきます。

 

 

 もし、Excel で惰行による減速を加味した計算ができた方がおられましたらば、水炭までご連絡くださいますよう強くお願い申し上げます。

等加速運動の式と単位換算

 加速と減速については、等加速度運動の公式 x = v0 t + (1/2) a t2 を使います。

 x は距離を表します。単位は (メートル)。

 v0 は初速度を表します。単位は m/s (メートル毎秒)。

 は加速度を表します。単位は m/s2 (メートル毎秒毎秒)。

 は時間を表します。単位は s (秒)。

 起動加速度のカタログスペックは km/h/s (キロメートル毎時毎秒)の単位が使われていますが、計算に用いる単位は m/s2 です。

 m/s2 を少し分かりやすく表記しますと (m/s)/s となります。

 km/h/s と (m/s)/s を比較しますと、 km (キロメートル) と m (メートル)、h (時) と s (秒) は、それぞれ相互に変換できますね。

  1 km = 1 000 m

  1 h = 60 min = 3 600 s

です。

 ちょっと計算してみましょう。1 km = 1 000 m と 1 h = 3 600 s を km/h/s に代入します。

  1 km / 1 h / 1 s = ( 1 000 m / 3 600 s ) / 1 s

 となりますね。これを解いていきますと、

  m / (3.6 s2)

 となります。つまり、km/h/s を 3.6 で割ると m/s2 に変換できます。 

起動加速度は使わない

 起動加速度はその言葉の通り、起動時における加速度です。

 通勤電車ですと 30 km/h を少し超える程度までしか起動加速度を保てません。最高速度に近づくにつれ、徐々に加速度が低下していきます。ですから当てにしません。してはいけません。

 というか、カタログスペックを上回る加速度で加速する車種もありますので当てにできません。

 しかし、加速度は分からないと計算ができません。ここは、YouTube やニコニコ動画などに加速動画がありますから、参考にする車両の加速動画でも探してください。ただし、タウルス単機ほか、他の車両によって加速度が大きく変動する車両には注意してください。もちろん、実際の列車に乗車して測定してみるのも良いでしょう。(※ 2020 年 5 月 現在、緊急事態宣言の発出により外出を自粛するように言われていますから、現地調査等は落ち着いてから行きましょうね)

 必要なデータは、0 km/h からその動画で出した最高速度と、その最高速度までに要する時間の 2 つです。

 この 2 つのデータが取れましたら、平均加速度を求めます。

 平均加速度 A は、

  最高速度 V [km/h] ÷ 時間 t [s] = 平均加速度 A [km/h/s]

 によって求められ、ここで求めた値である平均加速度 A を用います。

  【例】110 km/h になるまで 70 s 要した → 1.57 km/h/s

 ここで、概ねカタログに記載されている起動加速度より低くなると思います。平均加速度とはそういうものです。もし、加速度が変わらないのであるとしたら、これを見ている諸氏らが 100 m を全力疾走したとき、加速度が低下しないので極めて素晴らしいタイムでゴールできることになります。そしたら今頃世界記録保持者です。こんなとこ見てないで練習に励んでください。応援します。

計算に向けて

 いつになったら計算に入るんだ!とお叱りを受けそうですが、ここで垂れ流している文章は基礎中の基礎ですからもうしばらくお付き合いください。

 実際のダイヤでは最高速度まで加速してその速度を維持し続けることなんてそうそうありません。そんな事業者はごく一部です。参考にしないでください。参考にするならさっさとこのページを閉じて自分で計算してください。

 ということで、特に制限速度がなければ、その区間の最高速度 × 0.9 で求められた値を、出したい速度 Vmax [ km/h ] にしちゃいましょう。

  ※細かい話をしますと、路線としての最高速度が 120 km/h だとしても、その区間が上り勾配であれば最高速度まで出すことが厳しくなるでしょうし、下り勾配であれば安全上の観点(いわゆる旧 600 m 条項)から制限速度が設けられます。

  ※上り勾配か下り勾配かというのは「標準勾配(駅間において 1 km を隔てたある 2 点間を直線勾配としたもののうち、最も急な勾配のこと。駅間が 1 km に満たない場合は駅間の直線勾配)」で決まります。ここで下り勾配となったとき、600 m 以内に停止できないと大変によろしくないので、制限速度を設けて 600 m 以内に停止できるようにします。

 この 0.9 という値には根拠がありません。160 km/h で走行できる区間においては余裕をもつために 145 km/h150 km/h 程度で走行しているしこんなもんでしょ、という適当な値です。

 実際のところ、一般的な線区では許容された速度から 23 km/h 引いた速度まで加速し、惰行に移ります。130 km/h を超えるのは概ね一般的から外れます。

例えば、許容された区間速度が 120 km/h の場合は 0.9 を掛けますと 108 km/h ( 30 m/s ) になります。人によってはちょっと遅いように感じられますが、遅いぶん運転時分が延び、運転時分が延びることは余裕につながりますので、余裕ある分には全く問題ありませんし、現実は標準勾配だの曲線だの上り勾配だのなんだかんだで制限されまくるのでこんなもんでしょう。

もうちょっと速度を上げたいな、思いましても、最高速度に対して 95 分 を上回るのは控えましょうね。このあとに惰行区間の計算をしますが、最初にも書きました通り、ここで求める惰行速度は一定と仮定していますから、その分きついダイヤになってしまいます。

 で、出したい速度 Vmax [km/h] を 平均加速度 A [ km/h/s ] で割ると 加速時間 t [ s ] が求められます。

  【例】108 km/h ÷ 1.57 km/h/s = 68.8 s

 そして、先ほど求めた平均加速度 A は単位が km/h/s ですから、上記にある通り 3.6 で割ると平均加速度 a [ m/s2 ] になりますので変換しておいてください。

 ここまできましたら代入のお時間です。

加速距離・加速時間

 先ほど求めた加速時間 t [ s ] と平均加速度 a [ m/s2 ] を用います。

 まずは加速距離 xa を求めます。

 等加速度運動の公式 x = v0t + ( 1/2 ) at2 に代入します。

  xa = 0 × 68.8 + (1/2) × 0.436 × 68.8 × 68.8 = ‭1032.15 m

 ※細かい話、有効数字を気にしなければなりませんが、どうせ Excel で計算させるのですからここでは気にしません。しっかりと勉強されておられる皆さんにおかれましては気になるでしょうが申し訳ありません。ここにお詫びさせていただきます。

減速距離・減速時間

 次に求めるのは減速距離 xb です。

 減速の加速度、つまり減速度 b [ m/s2 ] は 2.5 km/h/s ( 0.694 m/s2 )です。特別な事情が無ければこの値を使ってください。

  ※ 2.5 km/h/s の根拠は、twitter で私が勝手に教科書だの赤本だのツイートしている『鉄道の運転保安設備 付 輸送計画実務の手引き』(吉武 勇 著)に記載されています。大変に良い本ですから皆さんも買って読んでね。

 減速距離を求める前に、必要なパラメータである減速時間を求めておきます。

  108 km/h ÷ 2.5 km/h/s = 43.2 s

 このあとは先程と同じようにして減速距離を求めます。

  xb = 30 × 43.2 - (1/2) × 0.694 × 43.2 × 43.2 = 648.41 m

 これで加速と減速における距離と時間を求められました。

 残るは惰行の距離と時間です。

惰行距離・惰行時間

 繰り返しとなりますが、本来は惰行時には徐々に減速していきますが、ここでは一定の速度を保っていると仮定して話を進めます。

 惰行距離は 駅間距離 x [ m ] - 加速距離 xa [ m ] - 減速距離 xb [ m ] = 惰行距離 xc [ m ] となります。

 駅間距離は各架鉄各駅で異なりますから、今回の私の例では… 駅間距離は 3550 m としておきましょうか。この数字は適当です。

  【例】xc = 3550 - 1032.15 - 648.41 = 1869.44 m

 となります。

 一定の速度を保っていますから、惰行時間は、距離 ÷ 速さで求められます。

 物理的には x = vt です。ちょっと変形して t についての式にします。

  定速距離 xc [ m ] ÷ 出したい速度 Vmax [ m/s ] = 惰行時間 tc [ s ]

 「みはじ」だの「きはじ」だの「はじき」だの聞いたことがあるあれです。

  【例】tc = 1869.44 ÷ 30 = 62.31 s

運転時分の算出

 ようやく、加速時間 ta、惰行時間 tb、減速時間 tc 全ての時間が求まりましたのでこれらを足し合わせます。

  ta + tb + tc = 68.8 + 62.3 + 43.2 = 174.3 s

 つまり、ここでは 2 分 54 秒 くらいで運転できることとなります。

 で、ダイヤは 5 秒か 10 秒か 15 秒を単位として作成されていますので、適当に切り上げます。

 Excel ですと CEILING 関数で切り上げができます。=CEILING(セル番地,15) 。

 一部の鉄道事業者は数秒程度であれば切り捨ててしまうこともありますが、様々な抵抗とか惰行時の減速度とか一切考えていない、なにかと正確性が保たれない値なので、15秒単位に切り上げておくと幸せになるかもしれません。都心部を走る架空鉄道にしても 10 秒 単位までにしておくといいと思います。細かくすれば細かくするほど作業量も増えて面倒ですので…

  ※列車ダイヤならば 15 秒単位にしておくこと。

 ということで、今回の計算結果から、この 2 駅間を 3 分 00 秒 でスジを引くこととなります。

 

 お疲れさまでした。ここまで長々とお付き合いくださりありがとうございました。

 諸氏らの健闘を祈ります。

補足等

補足 1

 面倒ですけれどもこれを全ての駅間で計算します。Excel 他表計算ソフトに任せましょう。

可能ならば4パターン計算します。

・停車→停車

・停車→通過

・通過→停車

・通過→通過

特に難しいことはなく、加速分や減速分を加味するかしないかです。

面倒であれば、通過駅数 × 1 分 + 30 秒 である程度近くなります。

 

補足 2

 制限速度とか考慮したければ、加速→惰行→減速だったのを、加速→惰行→減速→惰行→加速→惰行→減速と細かく区切ればできなくもないです。ただし、計算量が多くなってしまいますが…

 

補足 3

駅における停車時間は 30 秒以上にすると幸せになれます。

 

補足4

停車場への停車を目的としない場合(制限速度等)の減速度は 2.0 km/h ( 0.556 m/s2 ) です。

 

その他

何かしらありましたらば、各種連絡手段を用いて水炭まで連絡をください。このページに反映されるかもしれません。

ここまで頑張って読まれた方は

 架空鉄道サイトである瀬戸急電鉄内に、作者である 瀬戸急管理人 氏が作成された

基本運転時分算出シート」という大変に素晴らしい制作ツールがございます。

 このページの内容とリンク先の説明を十分に読み込んだうえで使用してみてはいかがでしょうか。

 

 連動駅や併結・増結時の運転時分について計算するページへのリンクも張っておきます.

→主発着線以外の運転時分←

更新履歴

20200505 公開扱い

20200509 加筆・文言修正・体裁変更

20200510 図1追加

20200511 加筆・修正

20200520 補足4の追加・瀬戸急電鉄へのリンクの作成

20220215 「主発着線以外の運転時分」ページへのリンクを正式に追加

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