架空の鉄道や事柄に関して扱うサイトです.架空鉄道趣味者が架空鉄道趣味者に対して作成した内容であり,実際とは異なります.
その他注意事項がここに記載されているものとする.
↑この文章の意味を察せない方,分からない方,面倒だと思った方,その他水炭にわずかにでも迷惑を掛けそうな方はこのサイトを閲覧してはいけません.
何か不都合がありましても水炭は一切責任を取りません.
作成中のページです.文言等はいつか整えます.いつまでになるかは分かりません.
何かしらございましたら,各種連絡手段を用いて水炭までご連絡ください.
本文中に分数が出てきます.環境によっては正しく表示されないかもしれません.すみません.
必要な知識
・小学算数
・中学物理(力学)~ 高校物理基礎(旧課程:物理Ⅰ)
※本文中に出てくる分からない 単語 や 式 は各自で調べること.
語句の意味
査定…基準運転時分を求める作業.査定時分に丸めること.
計算時分…求めた運転時分.駅間走行時分.
査定時分…求めた基準運転時分,秒単位(5・10・15秒)のこと.
※総研に合わせようと努めています.
※語句の誤用等がありましたら,各種連絡手段を用いて水炭までご連絡ください.
架空鉄道のダイヤを作成するときは,どこまで厳密に運転時分を求めるのか線引きをしなければなりません.実在鉄道のように専用のソフトを扱い,厳密に査定した査定時分からダイヤを作成することから,市販の列車時刻表を用いてある程度の目当てをつけてダイヤを作成することもあるでしょう.
このとき,専用のソフト以外で作成する場合は,どこかで線引きをしなければ,作業途中でルールを追加してしまったり,条件によってルールが異なることで作業が煩雑になったり,ついつい厳密に求めてしまって投げ出したりして,完成するものが完成しなくなってしまいます.ダイヤ好きとしましては実によろしくありません.ええ.
多くの架鉄路線では,各駅に停車する列車以外に,幾つかの駅を通過する列車を設定することがあると思います.その際,列車同士の待ち合わせや,優等列車の通過待ちなどを行うときは,往々にして主に使用される線路,いわゆる主本線以外の線路に発着します.副本線だの側線だの中線だの言われるそれですね.
このとき,主本線以外の線路に発着する列車は,信号機や分岐器等による速度制限の影響を受けることがほとんどでしょう.このときに受ける影響により,どれほど計算時分が延び,査定時分に影響を与えるのか考えてみようとするのがこのページです.
そもそも,これまでの瑞霞電鉄のダイヤは,どの線路に発着しようとも同一の査定時分によってダイヤを作成していました.しかし,よりよいダイヤをつくために,また,より現実なダイヤを作成するためには,信号制限や速度制限なども考慮した査定時分を用いてダイヤを作成する必要があると考えた次第です.できれば曲線や勾配も考慮したいのですけれどもね.今の私にはできませんので,これは今後の課題ですね.
現時点において作成しているダイヤ(2022年 1月末現在)では,速度制限の影響を受ける場合は,発着それぞれに標準の査定時分に対して 30 秒 を加算して作成していますが,この 30 秒 には根拠がありません.
話が戻ってしまいますが,この加えられる 30 秒 について理論的に考えてみましょう,というのがこのページの主旨です.瑞霞電鉄を例として計算をおこないますが,可能な限り一般化して各位が利用できるようにしたいと思います.
加えられる秒数は,全ての連動駅において計算する必要がありますが,それをしますと計算量が膨大になります.より良いダイヤ,より厳密なダイヤを目指すならば面倒臭がることなく全て計算する必要があります.しかしながら,そもそもホームの幅が決まっておらず,線路座標も決まらないことから厳密な走行距離が求められていないという致命的な理由に依ります.
ここでは,島式・1面2線の仮想のモデル駅を設定し,このモデル駅で計算された秒数を,その区間の標準となる計算時分に加えて査定時分にしようとする魂胆です.
早速モデル駅を設定していきたいのですが,まず躓く要素としてモデル駅のホームの幅が分かりません.
図面とかありませんし.詰みましたね.
…仕方がありませんから,ホームについて良さそうな資料がないか探してみます.
検索してみますと,エスカレーターに関する資料を見つけましたので,私はこれを基にして大雑把に計算してみようと思います.
ホーム上の階段部において,
ホーム端~壁 1.5 m
※ 鉄道に関する技術上の基準を定める省令の解釈基準Ⅳ-2(3)② に記載あり
※ 普通鉄道構造規則第三十三条第5項 に記載あり
柱 0.2 m
ES 1.35 m * 2
階段 2 m
柱 0.2 m
壁~ホーム端 1.5 m
計 8.1 m
と求められました.この 8 m ちょいという値が妥当なのか分かりません.
加えられる時間が増加するぶんには問題ありませんから進めます.対して,減少する場合は,ダイヤ通りの運転ができなくなる可能性が発生するため,慎重に検討しなくてはならなくなります.
線路間隔は 8.1 m + 2.75 m (車体幅) + 0.05 m (ホームと車体間の隙間) × 2 = 10.95 m になりますね.
※ 0.05 m (五十ミリメートル)の隙間(最低値)も 普通鉄道構造規則第二十一条 で定められている.
※ 車両とホームの隙間、片方しか加えていないのでここから計算が狂うので、サイト掲載時は修正のこと。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1259903491
https://jtqsw192.nobody.jp/FIG/300/point123.htm
以上2つのサイトを利用して計算していきます.
入力指定を「高さと角度」とし,
高さ 10.9 m
角度 5.725°
としますと,
底辺 a 109.22260947002
斜辺 b 109.77012762787
面積 S 597.99378684834
と求まりました.
必要な値は 底辺 a と 斜辺 b ですね.
条件を設定するにあたり,運転時分に影響を与えると思われる要素を考えてみましょう.
運転時分が増大する要因として,次のような要素があげられます.
・場内信号の現示に伴う減速
・分岐器制限
・運転距離の増加
これらが今すぐに思いつきましたが,他にもありますでしょうか?
今回は上記の 3 点 について考慮しつつ計算します.もし,他に考慮すべき要素がありましたら教えてください.組み込みまして改めて計算しなおします.ただし,曲線と勾配は考慮しません.考慮したい方は各自で計算し,その手法を水炭に教えてください.
条件
さて,条件を決めていきましょう.実在鉄道事業者では,列車を一つの質点として考えたり,列車長さの中心を基準にしたりしますが,今回は列車の先端を基準とします.
区間と移動距離
計算がおこなえるよう,次のとおり計算区間を分割します.
・1. 減速を開始する地点~場内信号機の手前 50 m まで
・2. 場内信号機の手前 50 m ~ 場内信号機
・3. 場内信号機 ~ 分岐器制限の減速を開始する地点
・4. 分岐器制限の減速を開始する地点 ~ 分岐器先端の手前 50 m まで
・5. 分岐器先端の手前 50 m ~ 分岐器先端
・6. 分岐器先端 ~ 停車のための減速を開始する地点
・7. 停車のための減速を開始する地点 ~ 停止位置
以上 7 つの区間に分割して計算をおこないます.
これらの区間を,上から順に L1 ~ L7 とします.
線路条件
場内信号機 ~ 分岐器:100 m ※普通鉄道構造規則等による
今回は場内信号機から分岐器手前 50 m までの間に減速します.速度と距離などの条件によっては場内信号機手前から減速することとなり,計算が煩雑になるかもしれません.
分岐器 ~ ホーム端:109.770 m + 15 m
曲線が含まれる区間になりますが,計算が面倒になるので直線として計算します.
ホーム端 ~ 停止位置:5 m + 137.25 m = 142.25 m
ホーム長さの根拠:連結面間長 15.25 m/両 × 9 両 = 137.25 m
合計:上記の全てを足し合わせた距離 LTOTAL [m]
なお,減速にかかわる空走時間については,運転士の操縦により,減速開始点を考慮したりするなど理想的な操縦をしていることとし,考慮しないものとします.
速度
計画速度:最高速度 - 3 km/h
運転最高速度 V1 :60 - 3 = 57 km/h
場内信号機(注意現示)V2:45 - 3 = 42 km/h
分岐器制限 V3:40 - 3 = 37 km/h
停止時 V4:0 km/h
加速度(減速度)
減速時の減速度 A1:2.0 km/h/s → 加速度としては -2.0 km/h/s
停止時の減速度 A2:2.5 km/h/s → 加速度としては -2.5 km/h/s
上記の要素をまとめ,各区間の時間を t としますと以下の表の通りになります.
区間 |
距離 L [m] |
時間 t [s] |
始点速度 V [km/h] |
終点速度 V [km/h] |
加速度 A [km/h/s] |
減速開始点 ~ 場内信号機手前 50 m まで | L1 | t1 | V1 = 57 | V2 = 42 | A1 = -2.0 |
場内信号機手前 50 m ~ 場内信号機 | L2 = 50 | t2 | 42 | 42 | × |
場内信号機 ~ 減速開始点 | L3 | t3 | 42 | 42 | × |
減速開始点 ~ 分岐器先端手前 50 m | L4 | t4 | V2 = 42 | V3 = 37 | A1 = -2.0 |
分岐器先端手前 50 m ~ 分岐器先端 | L5 = 50 | t5 | 37 | 37 | × |
分岐器先端~減速開始点 |
L6 |
t6 | 37 | 37 | × |
減速開始点~停止位置 | L7 | t7 | 37 | V4 = 0 | A2 = -2.5 |
合 計 | LTOTAL | tTOTAL | × | × | × |
待ちに待った計算の時間です.
上記の表に基づいて,物理の公式を用いて計算を進めていきましょう.
計算を始める前に,公式を変形させるなど下準備が必要です.
分かる方はこの項目を飛ばして頂いて大丈夫です.
L1,L4,L7 を求めるにあたり,次の式を用います.
v22 - v12 = 2ax …(1)
今回は距離を求めるため,式を x についての式に変形します.
x = v22 - v12
2a …(2)
(2) 式の中にある小文字の v [m/s] の単位は メートル毎秒 であり,鉄道で用いられている単位である キロメートル毎時 に変換します.メートル毎秒 と キロメートル毎時 とを混同しないために,小文字の v は,大文字の V に変換する必要があります.
V = v × 60 × 60 ÷ 1000
V = v × 3600 ÷ 1000
V = v × 3.6
v = V
3.6
…(3)
このとき,v1 は V1,v2 は V2 とします.
また,加速度 a [m/s^2] の単位は メートル毎秒毎秒 であり,鉄道では主に キロメートル毎時毎秒 が用いられていますので,これも 加速度 A [km/h/s] に変換する必要があります.
A = a × 60 × 60 ÷ 1000
A = a × 3600 ÷ 1000
A = a × 3.6
a = A
3.6
…(4)
(3), (4) 式を (2) 式に代入します.
x = v22 - v12
2a
x = ( V2 3.6 )2 - ( V1 3.6 )2 2 ( A 3.6 )
x = V22 / 12.96 - V12 / 12.96 2A / 3.6
x = (V22 / 12.96 - V12 / 12.96) × 12.96 ←通分 2A / 3.6 × 12.96 ←通分
x = V22 - V12 7.2A …(5)
得られた (5) 式の x を英語の Length の頭文字である L に置き換えます.(私だけでしょうか?)
x = V22 - V127.2A
L = V22 - V127.2A …(6)
まずは L1 ~ L7,LTOTAL まで求めましょう.L1,L4,L7 は (6) 式 を用います.
L1 = V22 - V122 ×
3.6 × A1 = 422 - 5727.2 × (-2.0) = -1485
-14.4 = 103.125 m
L2 = 50 m (上記表中より)
L3 = 100 - 50 - L4 = 100 - 50 - 27.431 = 22.569
※ L3 を求めるためには,先に L4 を求める必要があります.
L4 = V32 - V222 ×
3.6 × A1 = 372 -
4227.2 × (-2.0) = -395
-14.4 = 27.431 m
L5 = 50 m (上記表中より)
L6 = 109.770 + 15 + 142.25 - 76.056 = 190.964 m
※ L6 を求めるためには,先に L7 を求める必要があります.
L7 = V42 - V322 ×
3.6 × A2 = 02 - 3727.2 × (-2.5) = -1369
-18 = 76.056 m
LTOTAL = L1 + L2 + L3 + L4 + L5 + L6 + L7
= 103.125 + 50 + 22.569 + 27.431 + 50 + 190.964 + 76.056 = 520.145 m
つづいて,時間を求めましょう.
t1 [s] = V2 -
V1a
= 42 - 57-2.0
= -15-2.0
= 7.5 s
t2 [s] = L2V2 ÷ 3.6
= 5042 ÷ 3.6
= 50
11.67
= 4.29 s
t3 [s] = L3V2 ÷ 3.6
= 22.569
42 ÷ 3.6
= 22.569
11.67
= 1.93 s
t4 [s] = V3 -
V2a
= 37 - 42-2.0
= -5-2.0
= 2.5 s
t5 [s] = L5V3 ÷ 3.6
= 5037 ÷ 3.6
= 50
10.28
= 4.86 s
t6 [s] = L6V3 ÷ 3.6
= 190.964
37 ÷ 3.6
= 190.964
10.28
= 18.58 s
t7 [s] = V4 -
V3a
= 0 - 37-2.5
= -15-2.0
= 14.8 s
T [s] = t1 + t2 + t3 + t4 + t5 + t6 + t7 = 7.5 + 4.29 + 1.93 + 2.5 + 4.86 + 18.58 + 14.8 = 54.46 s
このモデル駅の主本線に停車する場合を計算しますと,
L8 = LTOTAL - 斜辺 + 底辺 - L9 = 520.145 - 109.770 + 109.223 - 180.500 = 339.098 m
L9 = V42 - V122 ×
3.6 × A2 = 02 - 5727.2 × (-2.5) = -3249
-18 = 180.500 m
t8 [s] = L8V1 ÷ 3.6
= 339.098
57 ÷ 3.6
= 21.42 s
t9 [s] = V4 - V1a
= 0 - 57-2.5
= 22.8 s
t8 + t9 = 21.42 + 22.8 = 44.22 s
差を求めますと,
54.47 - 44.22 = 10.25 s
となりますから,瑞霞電鉄においては 11 秒 を計算時分に加えればよいと分かりました.
ということで,加える秒数も分かりましたし,ダイヤを組みなおしましょうね,私.
雪皇,盛冬,上根振 など,瑞霞電鉄基準でそこそこ複雑な駅に限っては 30 秒 の加算にしましょうかね,と思っているのですが,果たしてこんなに簡単に考えてよいのでしょうか? ということで計算しましょうね.
→後日別頁を立てて記述する予定ですが,いつになるかは未定です.
→計算ができたので後日別頁を立てて記述する予定ですが,いつになるかは未定です.